なないろ読書手帖

漫画や小説の感想など。。

キスキル・リラ -くちづけは夢の終わりで-

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6月公開のフリー乙女ゲームのプレイ感想です。

●プレイ感想
まず驚いたのが、そのクオリティの高さ!
フリーの乙女ゲームはこれが初プレイな為、単純な比較は出来ないのですが、過去にプレイした商業物の乙女ゲームと比較しても、ED数、スチル数なども含め、遜色ないクオリティだと思います。
雰囲気的には19世紀末ロンドンっぽいでしょうか。ゴシックな雰囲気に、落ち着いた絵柄がマッチ。(絵、好みです♪)
テキストは一人称ですが、心理描写・情景描写ともに巧みで、小説を読んでいるような感覚でした。

ヒロインのメリッサは、可憐な見た目とはうらはらにダークな内面も併せ持っているんですが、時折見せる、無邪気な一面がとってもかわいらしかったです。
ヒロイン≠自分で、ヒロインと男性キャラクターの恋愛を第三者的に楽しみたい方なので、ヒロインが魅力的というのはポイント高かったです。

個人的にはアベルルートがツボでしたv
先生と生徒みたいな関係に弱いのです…(メリッサ生徒じゃないけど)
アベルの過去の真相についてはびっくり。一見爽やかで分け隔てなく誰にでも優しい彼が実は…というギャップに胸キュン。
アベルもだけど、メリッサの苦悩ぶりがなんとも切なくて。これまでプレイしたどの乙女ゲームよりもいちばんヒロインに肩入れしてしまいました。

糖度低めな切なくほろ苦い系がお好きな方にはとてもオススメなゲームです♪
楽しくプレイさせて頂きました。スタッフのみなさまに感謝です!

*ダウンロードはこちらから

高台家の人々 2 (マーガレットコミックス) / 森本梢子

高台家の人々 2 (マーガレットコミックス)

●ネタバレ感想
光正の祖父母、アン&茂正さんのロマンスに胸キュンでした。
茂正さん良いですね…昭和の香り漂うインテリ丸眼鏡…たまりませんね。
(個人的嗜好です)

アンもとってもかわいらしい。
こんな娘にグイグイ迫られちゃ、そりゃ、落ちちゃいますよね。
ファッションや街並みなども、1950年代的雰囲気がそこはかとなく漂っていてgood。
ローマの休日っぽいなぁと思ったら、時代的にはちょうど同じ。
アンって名前ももしかしたらローマの休日のアン王女からきてるのかな?
茂正さんの元婚約者の茗子さんもいい味出してる。ご両親も。
ある意味略奪婚なのにドロドロとした方向にいかないのがいいところ♪

木絵の妄想には今回もゲラゲラ笑ってしまいました。
特に光正さんが中国から帰ってくる時の妄想。
孫陳のオーバーリアクションっぷりが、一昔前のアニメにいそうだわ。
ギャグセンス最高です。

7SEEDS 27 (フラワーコミックスアルファ) / 田村由美

7SEEDS 27 (フラワーコミックスアルファ)

●ネタバレ感想
今回は恋愛面がクローズアップされてましたね~
新巻と花、蝉丸とナツがなんだかいい雰囲気に。
蝉丸とナツはいいとして、もし新巻と花がくっついたら、残された嵐は一体??
でも新巻は花とはくっつかなさそう…彼の自己犠牲的な感じに行く末を案じてしまう。

27巻見てたら嵐はいっそ安居とくっついたらいいんじゃないかと…
というのは冗談だけど、安居の不安定っぷりが見てられない。誰か支え導いてやってくれーと。他のキャラはメンタルしっかりしてそうだから、自ら運命を切り開いていきそうなんだけど。安居の場合はなんだか危なっかしい感じ。
嵐とも決別してしまうし、放っておいたらどんどん自分の殻に閉じこもっていきそうな、ネガティブオーラがぷんぷんと…もしや犬がなんとかしてくれるのか??
この作品では安居に肩入れしてしまうな~。過去が壮絶だからかな。

7SEEDSは恋愛面よりも、SFサバイバルものとして、それぞれの登場人物の行く末が気になる…誰も死なずにハッピーエンドってあるのかな。

麒麟館グラフィティー 全13巻 (フラワーコミックス) / 吉村明美

麒麟館グラフィティー(13) (フラワーコミックス)

●あらすじ
札幌に古くから建つ下宿・麒麟館を舞台に繰り広げられる物語。
冷酷な夫の仕打ちに耐えかねて逃げてきた菊子、そんな菊子を偶然拾う麒麟館の管理人妙、麒麟館の住人で次第に菊子に惹かれていく火野、菊子の夫で、かつての妙の憧れの人でもあった宇佐美。
この4人を中心に恋愛・友情・家族など、さまざまなドラマが描かれます。

●ネタバレ感想
再読。大好きな漫画です。いちばん読み返してます。

キャリアウーマンタイプで勝ち気な妙と、家庭的でおっとりした菊子。
Wヒロインともいえるふたりが、運命的な出会いとともに、友情を育んでいきます。
複数の登場人物の視点で物語が描かれており、恋愛だけではない、多くの要素を持っているので、読み手によって受け取り方が全く変わってくると思います。
DV被害に立ち向かう女性の物語、女同士の友情物語、切ない片想いの物語…
ネット上のレビューでも受け取り方は十人十色。

私自身は、妙と宇佐美の関わり合いがいちばん好きで。
ヒロインの恋愛相手なのにここまで徹底的に嫌な奴として描かれたヒーロー(一応)って他に記憶にないです。菊子視点で読めば許せないくらいのDV男だし。
妙は菊子が受けた仕打ちのぶんも含めて、宇佐美に立ち向かってゆく。
最初は傲慢で冷酷な人間だった宇佐美が、妙と関わり合い、愛する事によって変わってゆき、ついには菊子の幸せを願い、解放するに至る…
その人間的成長の過程にカタルシスを感じました。(割と変わった見方かも)

吉村先生は、表情を描かれるのが本当に上手いなぁと思います。
言葉の裏に隠された本心を表情で繊細に表現されるので、読んでて胸にずっしりと迫ります…

女性が苛められたり酷い仕打ちを受ける作品って本来苦手なんですが、麒麟館は別。
状況は過酷だけど、妙も菊子も前向きで、友情が揺るがないからだろうなぁ。

繕い裁つ人 1~5 (KCデラックス) / 池辺葵

繕い裁つ人(1) (KCデラックス)

●ネタバレ感想
既刊5巻まで読了。

表情、間、コマ運び、台詞回し…どれもが素敵で。
またひとつ、続きがたのしみな漫画が増えました^^

市江と藤井さんの距離感が良いですね。
直接的な恋愛描写は無いのですが、二人の間に漂う、じんわり、温かくなるような、空気感。この語りすぎなさが、想像の余地があって良いんですよね~
多くは語らずとも、表情と間で読ませるなぁ。

市江の年齢、勝手にアラサーと推測しているんですけども。
これくらいの年齢って、自分なりの生き方とか、ポリシーとかが、確立されてくるんだけども、環境変化は起こりやすい年代で。(公私ともに…)
だけど、生き方をがらりと変えるには少し勇気がいるような年齢…な気がしています。
(あくまで主観ですが。)

藤井さんのパリ行きで、ふたりの中に何か変化が訪れそうだなーと。
少なくとも、市江のなかで、今後、何かが変化するんじゃないかと。
それを暗示するようなエピソードもありましたしね。
続きが楽しみですv

実写映画化するそうですが、あの空気感がどんな風に再現されるのか気になるな~。

ディアーナ (フラワーコミックスアルファ) / 江平洋巳

ディアーナ (フラワーコミックスアルファ)

●あらすじ
時は大正。伯爵家の令嬢と、その主治医の許されぬ恋。
診療の名に隠された禁断の関係はやがて―

●ネタバレ感想
単行本に書かれているあらすじ↑だけで心鷲掴みなのですが(笑)
大正ロマン、歳の差、身分違いの恋。好きな人にはたまらない、
少女漫画的トキメキ要素が三拍子そろっております。

大正・昭和初期の抒情画および1920年代のアール・デコのイラストレーションを彷彿とさせる、妖しく耽美的な絵柄で作品世界とピッタリマッチ。
江平先生の絵柄は、このあたりからも影響を受けてらっしゃるのかなぁ。

余談ですが、この時代のイラストレーションでは、松本かつぢ&ウンベルト・ブルネレスキのファンです。

大人の塗り絵画集 松本かつぢの世界    f:id:hama-ko:20140703204053j:plain   f:id:hama-ko:20140703204500j:plain

少女漫画にも受け継がれてますよね。

以下ネタバレです。

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