なないろ読書手帖

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センセイション (ハーレクイン文庫) / シャーロット・ラム

センセイション (ハーレクイン文庫)

 ●ネタバレ感想
小説でも漫画でも、傲慢ヒーローと勝気ヒロインが、恋の火花を散らしあうような、
喧嘩のような関係のものがいちばん好きなんですけども。
これは、そのツボにドンピシャリ。
本当はお互い惹かれ合っているのに→誤解とすれ違い→最後の最後でやっと誤解が解け、ハッピーエンド♪のパターンです。甘さは無いです。むしろ、苦い。

表面上はお互い無関心なふりをして、心の中は相手の事が気になって仕方ない。
本当は両想いなのに、結婚して6年間も誤解し続けたままでいられるって、ふたりとも忍耐強すぎる。喧嘩のようなやりとりの中に、垣間見える本心。うまいなぁ~と。

息子のステファンを軸に、ふたりの間の壁が少しずつ取り払われていくのだけど、
やはり一筋縄ではいかず、引っ張る引っ張る。最後まで引っ張る。
続きが気になって一気に読んでしまいました。

ヒロインのケリーですが、そのツンデレぶりが可愛いかったv
超絶美人で天才的なピアノの腕の持ち主なのに、
自分に自信がなくて引っ込み思案で素直じゃないだなんて。
そのギャップが魅力的でした。

少女漫画好きなので、そっちと結びつけてしまうんだけど、
この作品を読んでいて、波津彬子先生の「雨柳堂夢咄」の中の、
橋姫というお話を思い出しました。
設定&ヒーローヒロインの構図が似ています。橋姫も、大好きなお話です。

雨柳堂夢咄 4巻  雨柳堂夢咄 其ノ3 (ソノラマコミック文庫 は 28-3)
「橋姫」は、単行本4巻、文庫本3巻に収録