薬師アルジャン 全11巻 (プリンセスコミックス) / 山下友美
未読の長編少女漫画一気読み週間です。
読んだ作品は「薬師アルジャン」
全巻通してのネタバレ感想です。
こ、これは名作…!
今まで読まなかったのがもったいない。
絵柄はきらきらした少女漫画なんだけど、中々シビア。
周辺諸国との覇権争いや裏切り、陰謀が渦巻いていて。
非常に客観的で怜悧な視点でもって物語が構築されている感じ。
キャラクター造形も深く、人には多面性があるんだなぁとつくづく…
ファンタジーな世界観だけど、確かな薬学的知識に基かれて描かれているので、
医療ものとしても面白く読めました。同じ医療職として、勉強になりました。
少女漫画的ツボもしっかり押さえてて、アルジャンとプリムラ姫の恋のゆくえもどうなるのかハラハラドキドキで。
プリムラ姫と、お付きの薬師でバジリスクでもあるアルジャンは互いに惹かれあうけど、アルジャンの全身が毒であるという性質ゆえに触れ合う事も叶わず、身分の差もあり…と、障害てんこもり。障害のある愛っていうのは盛り上がるよね!
ラブシーンもロマンチックで胸キュン。
脇キャラクターもそれぞれが生き生きと描かれていて面白かったです。
お話もメデタシ、のハッピーエンドでよかったよかった♪
今までプリンセス系の少女漫画あんまり読んでこなかったけど、かなり勿体ない事をしている気がする。ストーリー性の高い骨太な長編が多い印象。