なないろ読書手帖

漫画や小説の感想など。。

眠れる美女のあやまち (ヴィレッジブックス) / ジュード・デヴロー

眠れる美女のあやまち (ヴィレッジブックス)

●あらすじ
1913年、カリフォルニア。大農場の娘アマンダは、父親が選んだ厳格な家庭教師・
テイラーと婚約し、抑圧された日々を送っていた。
ある日アマンダは、農場へ視察に来た若き大学教授・ハンクの接待役をつとめる事となる。その過程で少しずつ惹かれあう二人だったが、
感情のない人形のように教育されてきたアマンダは、自分の感情に気づかない。
彼女の奥底に情熱を感じたハンクは、アマンダの本来の姿を取り戻そうとするが…


●ネタバレ感想
同じ作者の「時のかなたの恋人」が面白かったので読んでみました。


前半はアマンダがハンクによって本来の姿を取り戻していく姿が面白かったです。
が、中盤以降はふたりそっちのけでテイラーの行く末ばかり気になってしまった…


テイラー、不憫すぎる。特に終盤の片付けられ方たるやおざなり感が漂う…
敵役なので仕方ないのかもしれませんが。
けれど、敵役の一言で片付けるには本当に惜しいキャラ。
訳者も「描かれようによっては、ハンクよりも魅力的な人物になったかもしれない」
と書いているほど。


彼が血も涙もないような極悪非道な人間として描かれていれば、
ハンクとアマンダの恋を手放しで応援できたんだけど。。
両親に愛されなかった不幸な生い立ち、それゆえの苦悩、
序盤は彼なりにアマンダを愛していたような描写もあり…
描かれようによったらヒーローになりうるキャラだったと思う。
ちょっと勿体ない。


中盤以降はリーヴァに傾いて、あっけなく結ばれたけど、
テイラー&リーヴァの物語はじっくり見てみたかったな。


ロマンス小説のヒーローってハンクみたいな肉食系イケメンプレイボーイが多いのかな?テイラーみたいな冷酷でストイックなヒーローって、いないのかな?
愛を知らない冷酷人間が愛に目覚めていくような話に弱いので、そういうのがあれば、
間違いなくハマると思う。